■ ハウス研究グループ
■ハウス研究グループ 研究テーマ

 1.人間型ロボットのための建築空間モジュールとライフスタイルに関する研究
 2.建設活動の事前検討と社会との情報共有を図るバーチャル建設現場システムの開発
 3.IT及びロボット技術を駆使した建設自動化システムの開発
 4.建設「もの造り」における人間とロボットの共生と協調システムの開発
 5.WABOT-HOUSE監視・制御のためのSOHO空間とその機能に関する研究
 6.木曽三川流域圏における資源循環型居住システムの構築に関する研究


■建築 棟別概要
  • A棟 人間居住ハウス(C-PRH)  
  • B棟 人間・ロボット共存ハウス  
  • C棟 ロボットハウス


■各研究テーマ内容■

人間型ロボットのための建築空間モジュールとライフスタイルに関する研究
→「人間・ロボット共存ハウス」
もともと建物寸法は人間の身体寸法や行動領域、ライフスタイルに従い決定されてきた。しかし20世紀には近代社会がより複雑高度になるに従い、建材の輸送寸法はもとより防災のためのスプリンクラーの設置寸法、あるいは高層階へのエレベーターの設置寸法など、人間の身体寸法だけでない建築寸法を構成する要素も無視できない大きなものになってきた。同じように21世紀にはロボットが人間の居住域・行動域に入り込むことが予想され、ロボットだけのため、あるいはロボットと人間が共存するための新たな建築空間モジュールの考え方が必要となると考えられる。
そこで本研究でにおいては、WABOT-HOUSE 設計にあたり、既成概念にとらわれない新たな建築モジュールの開発とそれに基づいたライフスタイルの創出を行なうことを目的とする。特に本年度は、新たな建築モジュールの開発のための基礎調査及び原単位をつくることを目的とする。


建設活動の事前検討と社会との情報共有を図るバーチャル建設現場システムの開発
→「ロボットハウス」
本研究では、WABOT- HOUSE等の建築物の建設プロセスにおける進捗状況をバーチャル空間において再現・検討し得るシステムを開発することによって、建設公害,環境問題,近隣への影響を事前に検討し,またその建設における無理や無駄を明らかにし労働安全の確保、コスト低減並びに工期短縮を図ることを目的としている。本システムを通じて、建設現場で発生する近隣への各種影響を事前に予見・検討し、行政・市民・建設関係者が協力して新しい都市形成を進めることを目標とする。


.IT及びロボット技術を駆使した建設自動化システムの開発
→「ロボットハウス」
WABOT-HOUSEの建設において、「ロボットがロボットの家を造る」と言う命題のもとに、建設技術の再構成を新たに提案し、各種施設の建設活動において革新的な技術体系を構築することを目的としている。本研究では、一旦建設した後は永続して使用するかまたは解体のみがあるとの考え方を改め、ロボット化・機械化施工の利点を活用して、必要なときに新築して、また不要になった時点ですべての部材を活用し得るように解体し再利用することを目指して、躯体の仕組み、外装や内部の仕組みを開発する。


.建設「もの造り」における人間とロボットの共生と協調システムの開発
→「ロボットハウス」
ロボット化によるWABOT-HOUSEや社会インフラ諸施設の建設を行うためには、ロボット化・機械化施工設備とともに共同して働く人間の屋外作業が必要になる。ロボット化を社会に定着させるためには、ロボット化された作業において、作業者が協調して且つ安全に作業を進めて行くことが不可欠である。本研究は、建設活動における各種作業において、工事及び作業者の作業過程をモニタリングするシステムを開発し、より効果的なロボット化作業を目指す。さらに、作業者の安全面の対策として安全確保システムの開発を行うことを目的としている。


.WABOT-HOUSE監視・制御のためのSOHO空間とその機能に関する研究
→「人間居住ハウス」

人間居住ハウスの大きな目的の1つとして、WABOT-HOUSE及び内部のロボット群の監視・制御機能を有することが挙げられる。この機能を居住スペースでもあるSOHO空間に持たせ、ロボットと共存することを前提とした新たな機能面及び空間面からのSOHOの考え方を確立する必要がある。また同時に、未来型の資源循環型住宅として建設する人間居住ハウスにおいては、内外の環境情報や建物の各部位・設備システムの管理・制御をおこなうコックピット機能としてもSOHO空間は位置付けられる。
 したがって本研究では、人間とロボットの共存のための住宅側の機能として何が必要か、またSOHO機能を前提とした新しいライフスタイル・建築空間はどうあるべきかを研究・提案することを目的としている。


.木曽三川流域圏における資源循環型居住システムの構築に関する研究
→「人間居住ハウス」

今日、持続可能で経済的にも自立した地域づくりのキーワードとして「バイオリージョン(生命地域主義)」という思想が注目されている。ボーダーレスの時代には、国家単位ではなく、むしろ人々の営みの基本単位である「地域」の重要性が、今後ますます拡大していくことが予想される。建築においては、気候・風土・生態系が一体化している地域(流域圏)を基本的な生活圏としてなるべく物質が地域で循環するシステムをつくり、その土地に愛着をもつ人々によって、自然環境の保全、地域の歴史・伝統の知恵を維持・発展させ、生活文化を創造していく社会をつくらなければならない。
この研究は、尾島研究室で設計施工した完全リサイクル実験住宅W-PRH(富山・伝統木造)、S-PRH(北九州・工業化鉄骨造)に続く、3番目の未来型の完全リサイクル住宅のモデルとして、木曽三川(木曽川・揖斐川・長良川)流域圏の循環系を対象としたモデル住宅を岐阜各務原の地に提案する。



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